フィリピンに寄せて
会長 医学博士・歯科医師 林春二
ようこそ2012年の活動に参加してくれました。
今年のように大変なことが沢山起こった年に参加してくれる皆様に心から感謝いたします。
思い出してみますと、私がこれまでボランティア活動をしている間にも同じような経験をしたことがありました。
皆さんも記憶に新しいアメリカ中枢同時多発テロ事件があった翌年のことです。
2001年9月11日の事件直後にアメリカ、ブッシュ大統領はアフガニスタンがこのテロの首謀者ビン=ランディンをアフガニスタンがかくまっているといって、アフガニスタンに報復攻撃を始めました。アフガン戦争の勃発です。
これがフィリピン医療ボランティアにも大きく影響しました。
フィリピンのミンダナオ島にはビン=ランディンの信奉者であるアルカイダの一派アブサヤフがいました。
ですから何か起こるか分からないという中で計画された時のことです。
当時、私はライオンズクラブの一員として活動していましたが、その年もライオンズがやっている「フィリピン・日本医療奉仕活動」に参加する気持ちでいました。
しかし、私の所属していたクラブでは毎年12~3名が参加している熱心なクラブであるにも関わらず、身の危険を感じてやめる人が続出し結局「私一人」になってしまいました。
身の安全を考えれば当然のことで、誰を責めることも出来ません。
この時、私は自分の診療所のスタッフに呼びかけ10名で参加しました。
ボランティアというのは状況で左右されることがないとは言えませんが「望まれたところ」で、「望まれたこと」を工夫しながら「やり遂げる」ことではないかと思います。
この時参加した仲間が現在の「ハロアルメンバーの中核」を担ってくれているだけでなく、「社会でも立派」な活躍をしてくれていることを考えると、この時の考えは間違っていなかったと確信できます。その時の状況で右往左往するようではボランティアは出来ません。
(個我=こが)を捨てて、「個人の我」相手の為に心をこめてやるところに大きな「不思議な力(ミラクルパワー)」が注がれるのだと思うのです。
間違わないで下さい。「死ぬ覚悟でやれ」というのではありません。
どんな時でも、「私たちが活動に行く」のを待っている多くの人がいるということです。
そして、この人たちはわたしたちがいかなければ、「どんなに痛くても」ひたすら我慢することしかできない人たちなのです。
この人たちの為にそれぞれが出来ることを「しっかりとやり抜きましょう」ということです。
今回世界各地で起こっている大雨の被害、大地震、天候不順など様々な災害が起こっている中でこれだけ多くの皆様が集まってくれたことは驚きでもありますが感謝に堪えません。
ひとえに関口団長を始め事務局のスタッフ全員の力だと思います。
みんなで力を合わせて頑張りましょう。
それがどんなにかけがえのない楽しいことかおわかり頂けると思います。
![]() 2012年の活動にあたって |
![]() 義を見て為さざるは勇無きなり |