ハローアルソン「ハロアル」は歯ブラシ1本でできるボランティア

フィリピン医療を支える会 ハローアルソン

トップ  >  福島県浪江町ボランティア報告  >  5.終わりに

福島県浪江町ボランティア
5.終わりに

昨年の3.11大震災は直接の被害を受けられた皆さんだけでなく私達国民に大きな痛みをもたらしました。
その直後に起きた福島原発事故による被害も甚大(じんだい)なものでした。

私達は今回、福島県にある浪江町の皆さんが避難している二つの仮設住宅に医療ボランティアに行ってきました。
仮設住宅は倉庫のような佇(たたず)まいでとても人が住んでいるとは思えないものでした。まるで悪いことをした人が押し込められているような所をイメージするものでした。

4畳半、二間「こんな所にいたら死んでしまう」というのが私の率直な思いでした。
私は普段から高齢者の家や施設に出かけ診療をしていますから様々な高齢者、住宅を見てきました。暖房が全く入っていないのではないかと思うような寒々とした家のこたつに背中を丸めてかがみこんでいる高齢者を見るとかわいそうで私が引きとってやろうかなと思うこともあります。そこでも生活の匂いはあります。それより悪い印象でした。

仮設住宅に住んでいる皆さんは笑顔で明るく振舞(ふるま)っていますが話が途切れた時、何とも言えない淋しい顔になります。ともかくよくしゃべります。
話が途切(とぎ)れると「淋しさ」や「やるせなさ」に襲われるから話し続けるのだと思います。

中には、お昼に南相馬の小高町を出て原町に移動、そこで一晩泊まっていたところさらに避難指示で飯館の避難所に3日、ここでガソリンが尽きてしまい県庁で世話をしてもらい、福島高校の避難所に4月10日に入りました。しかしここで避難生活が終わったわけでなく、そこから福島にある猪苗代湖リゾートホテルに移動、4月10日から7月9日までここで避難生活をしましたが、そこもまた移動になり、同日の内に福島市内の森合町の仮設住宅に移動して現在に至っています。

浪江町に住んでいた時は畑に出たり田んぼに行ったり一年中忙しく体を動かしていたのです。そしてその実りを3食食べることが出来ました。それがある日急に避難生活に変わりいつまで続くかわからない放浪生活に変わってしまいました。

まるで何も悪いことをしたわけでもないのにトラックが飛び込んできて危ないからすぐ退去しなさい、と持つものも持たないで追い出されたようなものです。
この先どうなるかわからないまま10万円だけ渡され「これで生活しなさい」、と言われているのです。

「ふざけるな!」と怒鳴りたくなるのではないでしょうか。それが普通だと思います。それではこの仮設住宅にいる皆さんにはそういうことを言ってはいけないという縛りがあるでしょうか・・・・。ないと思います。

それなのによく我慢をしていると思います。それは一向に仮設住宅の皆さんの思いをかなえてくれない政府と事故を起こした東京電力がしっかり保障をしてくれないせいです。

そしてこの仮設住宅にいる人はそのうちに「うつ病」になるか、「死」を選ぶのではないかと思いました。まさかそれが数日後に現実のものになるとは夢にも思いませんでした。

家に帰りたくても、畑に出たくても出られません。
自分のものがあってもなくても同じです。

酒ばかり飲んでいるという人がいましたが、酒でも飲むほかにやるせなさを発散できなくても仕方ないように感じました。

悲しい現実ですが、「一つの救いは町民全員が同じ宿命に流されていたこと」なのかもしれません。運命(うんめい)と言うには余りにも悲しい運命です。

それから二日後でした。被害者であるにもかかわらず、自分の家に帰るのに許可をもらって浪江町に帰った人がいました。このことだけでも苦痛だったと思います。そして懐かしの我が家に辿(たど)りついてみると大震災の後片付けもしないまま留守にして1年以上経つのですから見るも無残(むざん)な状態だったろうと思います。余りにも悲惨(ひさん)な現実と今までとられてきた政府や東京電力のやり方に「生きる望み」を持てなかったのだと思います。62歳の男性はそこで自らの命を断(た)ちました。

ようやくたどり着いたこの仮設住宅も安住の地ではなく、いつ出ていかなければならない不安と自分の家がありながら放射能の影響で帰ることが出来ないもどかしさの中であえいでいる人がまだまだ沢山います。

私達もここへきて始めて知ることばかりでした。
そして4畳半二間の家に押し込められて仕事をすることも出来ず頑張っている人がいることを知りました。

同じ国籍を持つ仲間の一人としてこの人たちが1日も早く自分の家に帰れる日が来ることを願わずにはおられません。

以上

 

ハローアルソン!ハロアル・フィリピン医療を支える会 会長
医学博士・歯科医師 林 春二

前
4.福島県森合町応急仮設住宅の治療(二日目)
カテゴリートップ
福島県浪江町ボランティア報告

ボランティア参加者募集

高校生ボランティア募集要項 医療従事者および一般 募集要項 活動についてのお問い合わせ

歯ブラシを集めよう!

  • 歯ブラシ(新品)
    ※ホテル等の使い捨てタイプも可
  • タオル・てぬぐい(新品)
    ※サイズ不問。粗品タオルも可
  • 固形せっけん(新品)
    ※液体ソープは不可
  • 鉛筆・ノート・クレヨン・色鉛筆
    ※使いかけも可
  • 夏物衣類
    ※新品衣料、洗濯済み古着

支援物資・カンパ送付先
歯ブラシ回収箱ダウンロード

メインメニュー

新着ブログ記事

新着ニュース&リリース

ボランティア活動報告(抜粋)

活動理念「四本の柱」

  • 現地での歯科医療を中心とした無償の奉仕活動
  • 歯ブラシ・タオル・固形石鹸など物資の支援活動
  • 世界の貧困問題を通じ、自らの生活を見直し「真の豊かさ」について考える
  • 次世代を担う高校生の参加により、真の国際平和と国際責献について考えてもらう

今西祐介のハロアル・レディオ

毎週金曜日21:00-22:00生放送
レインボータウンFM(79.2MHz)
http://www.792fm.com/
歯科医師でミュージシャン今西祐介がパーソナリティの歯科医療ボランティアと楽しいトーク&音楽番組

リンク