ブログ - チョイボラ
祐介先生こんばんは。
穏やかだった日本が大変な国になってしまいました。
四季があれほどしっかりしていて、しかも山や川は美しくきれいな国でした。
ヨーロッパやアメリカのように資源は無くても、それ以上の美しさがありました。
フランスの外交家ポール・クローデルは明治の人達を見て「日本人は貧しい。
しかし気高くとても神々しい。
もしこの地球に一つの民族を残すとしたら、日本人以外はない。
」と言わしめた明治の人達はすごいです。
貧しい身なりでも神々しいと言わせた心がすごい。
今から200年前のフランス人と日本人の状況は今よりはるかに大きな違いがあったと思います。
しかしクローデルは並みいるヨーロッパの人達よりはるか遠く離れた島国に住む日本人の素晴らしさをたたえていました。
アメリカに猿を使った18年間の実験があります。
一つのグループは餌を豊富に与えた飽食グループ、もう一つは餌を70%に抑えた貧しいグループの18年を比較すると、飽食グループは毛並みがパサパサ、白内障や糖尿病が起こり、まるで年老いた猿に。
ところがいつも腹を減らしていたグループは毛並みがツヤツヤで白内障や糖尿病にならず若々しくハツラツとしていたのです。
ところで私達は先祖の皆さんが世界一の人達と賞賛された子孫だと胸を張って言えるでしょうか。
自分のやりたいことや、欲しいものは沢山あると思います。
その全てが手に入ったとしたら飽食で老化した猿のように、生きる力を奪われてしまいはしないでしょうか。
全てを手にすることなどは不可能なのです。
今の自分にとって本当に必要なもの、今、この瞬間に手にしなければならないものは何か見極める必要があります。
餌を制限された猿のグループと同じように、若々しく生き生きと生きていける人になって欲しいです。
私達が今やっているハローアルソン・フィリピン医療ボランティアは、日常生活の中から生み出したり、やりくりをすることで生まれたほんのちょっとのユトリで出来るボランティア「チョイボラ」です。
最初の頃のチョイボラには、早く皆さんに協力してもらえるよう必死な思いで書いていました。
それが年ごとに協力をしてもらえるようになった喜びや感謝の言葉が多く見られるようになりました。
そして10年を過ぎる頃から一緒に行った高校生がハローアルソンに帰ってきてくれ、一緒にやれる喜びの声が見られるようになりました。
最初はたった一人の高校生だったのに、今年は46名に膨れ上がり、来年は77名です。
頑張ってきたかいがありました。
でも振り返ってみればその時々は「チョイボラ」でした。
その時出来るほんの「ちょっと」のボランティアです。
スラムの人の為にと思ってやりくりすればするほど、やりくりが上手くなりました。
まるで餌を制限された猿のグループが18年経っても年老いないのと同じように、ファイティングスピリットが湧き上がります。
これからもポール・クローデルの言う「世界に一つの民族それは日本人だ」を目指して頑張ろうと思います。
2018年9月21日 医学博士・歯科医師 林 春二