ブログ - 新たな試み「シャワーボランティア」
祐介先生こんばんは
毎日寒い日が続きますね。
今年は例年より早い時期に大きな寒波が来たようで、全国各地で大雪の被害が出ていますね。私の地元栃木県でも朝夕は氷点下となり、中学1年生の息子などは野球部の朝練に出るため、まだ薄暗い東雲(しののめ)の中、首を亀のようにすくめながら自転車で出動しています。
さて、私たちハローアルソン・フィリピン医療ボランティアも現地出発まで約1か月半となりました。
実は来年度の活動では新たな取り組みとして、スラムの子供たちへ「シャワーボランティア」を行うことが決定しました。
これは現地マニラ・ロータリークラブと共同で、スラムの子供たちの体や頭を石鹸やシャンプーで洗ってあげるボランティアです。
祐介先生、覚えていますか。
以前私たちが視察で訪れた時、街中を移動中突然スコールが降ってきましたね。その時渋滞している車の中からふと窓の外を見ると、大雨の中スラムの家々から子供たちが嬉しそうに飛び出して、雨どいの下に流れる滝のような雨水を使って体を洗っていました。
もちろん、その手には石鹸などはありませんが、彼らにとって雨は天然のシャワーの役割をしていました。
また、別の年の視察では胸が痛む光景を目にしました。
車での移動中雨が降ってきました。
マニラ市内は大変渋滞が多く、日中はいつも混んでいます。
その時、窓の外に二人の小さな女の子が見えました。
姉妹のようです。
雨に濡れたTシャツと汚れたスカートとサンダル、真っ黒に日焼けした顔に白い歯がやけに目立ちます。
お姉ちゃんでしょうか、10歳くらいの女の子が5歳くらいの妹のために車のフロントガラスに流れ落ちる雨水を手にとり、それを妹にかけながら顔を洗ってあげていました。
何度も何度もガラスに流れる雨水を手にとり、一生懸命妹を洗っているのです。
私たちは車の中で言葉を失いました。
家もなく、毎日物乞いをしながらストリートチルドレンとして生きていかなければならないあの二人の姉妹の光景は今でも鮮明に覚えています。
そんな出会いから今回私たちは、現地スタッフとの協議の末、初の試みとして、医療奉仕活動の隣にシャワーブースを設置し、「ハローアルソン・シャワーボランティア」を行うことを決めました。
現在、その詳細は現地リーダーと打ち合わせ中ですが、およそ100人の子供たちを予定しています。
もうすぐクリスマスが近づいてきます。
どれだけ良い子にしていても、どれだけ願いを祈っても、スラムの子供たちに日本の子供たちのような食事やおもちゃなどは到底叶うことはできません。
マニラ市内を彩る華やかなクリスマスのイルミネーションの下に段ボールを敷き、家族で寄り添うように眠る人たちが沢山います。1本の歯ブラシが欲しい、一つの石鹸が欲しい、と懇願する彼らのためにどうかリスナーの皆さんご協力のほどよろしくお願いいたします。
2017年12月15日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人