ブログ - 言動一致
祐介先生こんばんは。
今週はハロアルレディオに生出演です。
どんな話になるのか今から楽しみです。
そもそもこの「ハロアルレディオ」は、フィリピンのスラムに住む10歳の男の子アルソン君の生えたばかりの前歯4本を抜くことになったときの衝撃的な出会いから、二度と再びこういう子供が出ないようにという祐介先生の考えの出来た番組です。
スラムの人達はその日食べるお米も無く、お金も無い人達です。
そのため病気になっても病院に行くことさえ出来ません。
病院は無料で診てはくれますが、薬代は自分で払わなければなりません。
そのためお金の無いスラムの人達は病院に行けないのです。
もちろん歯が痛くても治療を受けられません。
歯が痛くなったら、こめかみをこすって「痛いの痛いの飛んでいけ」と痛みが去るのを待つか、海水を温めて我慢するだけだと言います。
こういう人達にとってハローアルソン・フィリピン医療ボランティアは治療を受ける唯一のチャンスなのです。
いつの間にかこのチケットを「神様のチケット」ととても喜んでくれるようになりました。
現在の日本でも同じようなことが起こっています。
経済的格差が広がって、窓口負担が大変なために痛みが止まったら、その先の治療を受けないで中断してしまう人が歯科では51%、医科では35%、医科歯科あわせると41%もいることが全国保険医協会連合会のアンケート調査で分かりました。
これは経済力が小さくなる高齢者や障害を持つ人、あるいはシングルマザー世帯、生活保護を受けている人に顕著に表れています。
これは医療や福祉に関わる患者負担が大きくなると、経済力の無い人達にとって個人の力では中断するしか対応策が無いということを物語っているのです。
今の日本にはこういう現実があるのに、社会福祉に関わる予算をどんどん削っています。
その反対にここ数年軍事費はどんどん伸びているのです。
軍事費を0にすべきだとは思いませんが、生活力の落ちている人達にとっての社会保障費もとても大切です。
この意見が関口団長と私の意見が真っ向から反対だと受け取られたのかもしれません。
こういう現実を捉えた上で国を守るために必要な国民のための社会保障費まで削りながら「もり・かけ」問題のように、わけの分からない莫大なお金を使ってしまうことが問題なのです。
一年以上もこの問題をやっているのだから、早く終わりにして他の議論をしろという意見もよく聞きますが、その意見もよく判ります。
しかし私は一人の人間として、命を引き換えにされている人がいる以上これを無視することは出来ないのです。
こういうわけの分からないやり方をする人達が「憲法改正」を唱えても、多くの国民は納得しないでしょう。
政治家は一般の人達より「言うこと」と「やること」に心を配らなければならないのだと思います。
つまり「言動一致」しなくては、この国を支えている国民を不幸にしてしまうからです。
2018年6月8日 医学博士・歯科医師 林 春二