ハローアルソン「ハロアル」は歯ブラシ1本でできるボランティア

フィリピン医療を支える会 ハローアルソン

ブログ - 関口敬人先生からのお便りカテゴリのエントリ

祐介先生こんばんは

今朝の新聞にこんな記事が出ていました。

「弁当持参 揺れる給食」

これは東京都のある地区で小学校、中学校の給食が福島原発の放射能の影響を保護者が懸念して、給食を拒否し弁当を持参する訴えをしているそうです。
また、保護者の中にはその分の給食費用を支払わないと話す方もいるようです。

この意見に対し、私は全てを否定、反対するわけではありません。
子を持つ親の気持ちであれば当然かもしれません。

しかし、私個人の意見は全く違います。
今回、日本中を悲しみと恐怖に包んだ東日本大震災は大勢の尊い命と未だ続く原発という爪痕を残しました。
そして復興という長い年月を共に歩むため、昨年は「絆」という言葉が多く聞こえるようになりました。

「絆」・・この言葉の本当の意味はなんでしょうか。

原発から200キロ、300キロと離れている都会の人間が、産地も放射能レベルも安全な食品からなる食べ物にも関わらず、給食費を支払わず、我が子だけの安全を考え、その結果自治体行政の圧迫につながることさえも理解せず、給食という食を通じ食べ物の有難さ、栄養バランスの大切さを学ぶ教育の一環を拒否することが「絆」でしょうか。

水が危ないと騒げば我先にスーパーに並び、食糧不足といえばコンビニの棚がなくなるくらい買占め、石油がないと言えば、今後最も必要とされる東北の事など露知らず何時間でも並ぶ。
そして休みの日にはこぞって「被災地でお金を使おう」とバスツアーまでくみ東北に出かける。
東北の薪は危ないと言い被災者の祈りがこもったごまきも拒否し、震災後あれほど名乗り出た瓦礫の受け入れも、嘘のような手のひら返しで今ではわずか数件の自治体しかいません。

今、私の地元那須塩原市は市長が急病で亡くなられ、急遽市長選が今週の日曜日に行われます。
2、3名の候補者がいますがどれをとって見ても、抽象的なありきたりのマニフェストです。
そして誰一人瓦礫受け入れを表明しません。
街の下水道整備より、街の道路拡張よりやらなければいけない事があるだろう。
せめて、福島と隣県である栃木県が一早く瓦礫の受け入れを表明するべきだ。
そして政府は1キロでも2キロ分でもいい、鉄製でもアルミ製でも決して放射能が漏れる事のないケースを作り、その中に粉砕した瓦礫を入れ、全国民の一家庭、一つ置いてもらい、未来永続に日本中でこの悲しみ、そして日本人の強い心を語り継ぐためにもその上に大きく「絆」と書き、国民全員で支え合おうと提言すべきだ。

それが本当の「絆」ではないだろうか。その覚悟なくして何が「絆」だ。

もう、自分のことだけでは駄目なんだよ。
もう、自分の子供だけの幸せを考えては駄目なんだよ。

我が子を心配する気持ちは分かる。
しかし、今こそその我が子に、親が、大人が、この国が本当の人間の在り方、本当の人間の豊かさを語らなければ、津波にのまれ、瓦礫に押しつぶされなくなっていった数万の尊い命に申し訳がないであろう。

我が子に作るお弁当。
その野菜、その米、その電気。

是非もう一度、「絆」の本当の意味を考えてもらいたい。

 

2012年1月20日 ハローアルソン!ハロアル・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人



 

 

祐介先生こんばんは

年々地球の温暖化の影響なのか、私の地元 栃木県那須塩原では毎年降る雪の量が格段に減少しています。

昔はこの時期になると子供たちは学校に行くのが困難なほど雪が積もり、体育の時間などはかまくら作りをおこなうほどでした。
しかし、今年も未だ町中が積もる程の雪に見舞われることはありませんでしたが、ようやく今朝方からしんしんと雪が降り始め、あたり一面を真っ白な銀世界へと変えていきました。

現在、地球が消費できるCO2はすでにその許容範囲の2倍を超えているとも言われ、もう一刻の猶予もない状況になっています。

窓に映る雪景色を見ながら、言葉を発せずとも静かに降る雪の音を聞くと、あたかも自然が鳴らす未来への警笛のように聞こえるのは私だけでしょうか。

また、この雪山の向こう側により厳しい寒さの中生活をされている被災地を思えば、せめて診療室の温度を1度下げ、少しでも自分達ができる環境への配慮、この星への労りを示さなければならないと感じました。

さて、今年も2月8日からのハローアルソン・フィリピンボランティアまで3週間を切りました。
私達事務局も最終準備に取り掛かり、参加者の皆さん、そしてご協力して下さった皆さんの思いをしっかりと届ける為に全力で頑張りたいと思います。

このハローアルソンは祐介先生が10年前、初めてフィリピンボランティアに参加をし、一番初めに出会った患者「アルソン君」当時10歳との出会いから始まりました。

貧困のため歯ブラシ1本さえ買う事が出来ず、スラムの子供たちは幼くして次々と大切な歯を失っていきます。

治療に通えるはずもなく、痛みが出ればこめかみをさすりただ神様に祈るだけ。
学校にも行けず、一日中お金に換金できるゴミを拾い集め、それで得られる収入は日本円にしてわずか100円程度。
それでも家族、兄弟を大切にし、生きることに一生懸命な彼達のその澄んだ瞳に、私達は貧困問題を通じて様々な事を学びます。

ある6歳の男の子が私たちの前に現れました。
先程奥歯を抜き、また歯を抜くブースに並んでいるのです。

「先生、この歯も抜いて欲しい。」

私は言います。「どうしてこの歯を抜きたいの?虫歯じゃないよ。」

男の子が言います。「だって、歯を抜いたらお薬がもらえるのでしょ。家にお母さんが寝ている。病気で薬がないから僕の歯を全部抜いてお母さんに薬をあげたい・・」

わずか6歳の男の子が何の心のためらいもなく、目を輝かせながら私に懇願するのです。

私達が訪れるスラムの子供たちは5歳ごろからゴミ山に入り、一日中下を向きながらゴミを拾って家族の生計を支えています。

マニラの繁華街では一晩中街角に立ち、物乞いをし、泥だらけ垢まみれの子供たちが沢山います。

地球上で生じる全ての問題。
環境、戦争、エネルギー、貧困・・・その全ての原因は私達人間です。
であれば決して解決の出来ない問題はありません。

私達が寄り添い、正直に、優しい心さえ持つことができればもう二度とアルソン君のような子供たちが現れる事はないと信じています。

祐介先生、そんな日が来る時まで共に頑張りましょうね。

 

2012年1月20日 ハローアルソン!ハロアル・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人

 

 

祐介先生こんばんは

今朝は関東ではこの冬一番の寒さのようで、私もあまりの寒さに早々に目がさめました。

窓の外を見ると、ようやく東の空が紫色に変わり、西の空では少し欠け始めたお月さまが一日の仕事を終え朝靄の中に消えていくのが見えます。

「早起きは3文の得」と言いますが、太陽と月が同時に見える早朝の幻想的なコントラストを眺めていると、隣で寝むたい目をこすりながら一緒に新聞を取りに歩く息子がその月を見て、「まだ夜だよ。寝させてよ」とつぶやいていました。

肌を刺すような冬の風を感じながら、この北風の向こうにあの日から10か月も経とうとしながら未だ過酷な生活を強いられている被災地を思うと本当に胸が痛みます。

政治では消費税増税の話題が連日報道され、少し前まではTPPに沸き上がり、事業仕分けなどはもう既に過去の出来事のように思えます。震災から10か月という月日が経ち、復興の目途すら立てられず、国内にも国外にも日本の未来の在り方を示せぬ政治に不安と憤りを感じずにはいられません。

さて、私の地元栃木県の地方紙「下野新聞」にこの「ハローアルソン フィリピンボランティア」の記事が掲載されたことは先週お話ししました。その後、一週間がたちましたが、連日栃木県中の各地から物資が送られてきます。本当に有難いことです。

新聞を読み共感して下さる方。
お正月実家に帰省し、ふと見た記事に共鳴し募金を送って下さる方。
中にはこのようなお手紙を書いて下さる方もいました。

「何か世のため、人のためになることをしたいと考えておりますが、私は89歳の老婆。足が不自由なので活動もできません。せめて貧者の一燈ですがお役に立てて下さいませ。」
と、物資の他に2千円を同封して下さいました。

その他にも皆さんの心温まるお手紙には「ご苦労様です」「お体を大切に」と私達を労う励ましの言葉が沢山書かれていました。連日届く段ボールを開けるたびに多くの物資とその優しさに触れていると、ボランティアの持つ力、尊さが本当に心に沁みます。およそ日常の生活では考える事のない異国の子供たちに対し多くの方がたった一枚の記事をきっかけに心を寄せて下さいました。そして私にその心を託し、人間の持つ無限の優しさを感じ、学ばせてくれたのです。

この素晴らしい出会いは勿論、記事にして下さった記者の方々のお力かも知れません。
しかし、この出会いを「運命」と呼ぶのならば、まさに私達の出会いの「命」を「運んで」くれたのは紛れもなく、今日食べる事も、明日生きる事にも困窮するフィリピンの恵まれない子供たちです。

復興も貧困問題もボランティアをする特別な理由などありません。そこには同じ地域、同じ国、同じ地球に住む、同じ人間としての責任です。目の前に苦しんでいる人がいる。その時人間としてどう行動するか。それが今問われています。

今年の活動まで残りわずか。私は今回もリスナーの皆さんをはじめ、沢山の人達に勇気をもらいました。今日できる事を明日に延ばさずがんばりましょうね。

2012年1月13日 ハローアルソン!ハロアル・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人

 

祐介先生こんばんは

祐介先生、リスナーの皆さん「新年明けましておめでとうございます。」

今年もハロアルボランティアをよろしくお願いします。

いよいよ2012年がスタートしましたね。
と、言っても既に6日も経ってしまい、いつまでもおめでた気分ではいけませんね。

昨年は皆さんもご存じの通り、3.11の大震災が全てでした。
かつて人類が経験したこともないような天災により大勢の尊い命が犠牲になり、そして、その中で芽生えた様々な思いは、いつしか「絆」という言葉となって全国を駆けめぐりました。

今年はその「絆」の意味、私達日本人の人間としての真価が問われる年でもあります。月日の経つのは早く、あの悪夢の様な地鳴りが昨日のように思い出させます。

私の地元栃木県那須塩原市でも未だ瓦の修復作業が出来ぬ家屋もあり、原発から100キロ地点に位置する那須では風評被害により多くの店が営業を断念しました。
しかし、悲しみ苦しみはいつか必ず晴れます。
どんなときでも前向きに明るく元気に生きましょう。
今登る階段はいつか訪れる光への道標、一歩一歩前へ前へ頑張っていきましょう。

こちらハローアルソンフィリピンボランティアもいよいよ出発まで一ヶ月となりました。
一年間温め、準備してきた熱い思いを全て出し切るためにも、残された時間をどのように費やすかにかかって来ると思います。

1月4日の地元紙「下野(しもつけ)新聞」の地方欄に大きくこの活動が取り上げていただきました。その当日から栃木県中より連絡を頂き次々と物資が届くようになりました。病院の電話も鳴りっぱなしで、「どのような物を送ればいいですか」「こんな物でも良いですか」など、多くの方が関心を持ってくださりました。本当に心から嬉しく思います。
新年が始まりいきなりこのような嬉しい出会いを頂き、今年もより一層気合い充分!頑張って行こうと思います。

さて、今年も例年通り私の医院の一年の心構えとなる書き初めをしました。

「吾(われ)日に三たび吾が身を省(かえり)みる。人の為に謀(はか)りて忠ならざるか、朋友(とも)と交わりて信ならざるか、習わざるを伝うるか。」
要約すると、私は一日に三度、自分の行いを反省する。他人のために真心をこめて考えてあげられたか?友人と誠実に交際出来ただろうか?よく知りもしない事を他人に教えてはいないか?

今年は開業し10年という節目の年になります。
皆さんのおかげで毎日楽しく診療し、多くの方に支えられボランティアも頑張ることが出来ます。そんな時だからこそ、足下を見て、初心を忘れず、自分の行い、言動を常に戒め、謙虚に頑張ろうと思います。そして、人間として同じ日本人として、一日も早い復興に向けて色々な形で協力していきたいと思います。

今年一年よろしくお願いします!

2012年1月6日 ハローアルソン!ハロアル・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人

祐介先生こんばんは

今年も残すところ残りわずか。
今年のハロアルレディオもあと2回となりましたね。

年の瀬も迫り、あわただしい師走のこの時期。
私の診療室からは後ろにそびえ立つ雄大な那須連山を見る事ができます。その山頂もすっかり雪化粧し、刺すような冷たい空気が一層寒さを感じさせます。人間社会の喧噪を他所に、自然はいつも粛々とその役目をはたしながら静かに時を刻みます。
残り少ない暦をめくっていけば自然と自らの一年を振り返り、ただ反省することの多さに驚くばかりです。しかし、それでも健康で毎日を過ごせる今に、心から感謝をし、未だこの寒空の中過酷な生活を強いられている被災地を思えば、宮沢賢治の「この世の中に不幸があるかがり、我の幸無し」という言葉どおり、どんなに自分が恵まれていても、どんなに幸せと感じていても、この世に不幸がある限り、いつも心に留め、隣人をいたわる優しさを持っていたいと願います。

さて、最近私の医院では普段以上にハローアルソン・フィリピンボランティアの為に沢山の物資が毎日届くようになりました。

これも年末の大掃除や子供たちの学期末も重なり、石鹸やタオル、鉛筆やノートを頂けるようになりました。私が「ありがとうございます」というと「大した物じゃなくて」とか「少なくてすみません」とか皆さん謙遜して下さいます。
1本の歯ブラシ、1個の石鹸がどれほど高価で大切に使うか。
私はフィリピンと日本のあまりにも違う環境に、皆さんの優しさを心から感謝するとともに有り余る社会に生きる私達の生活を客観的に見て、少し不安になります。このハローアルソンは支援というボランティアを通じ、私達自身を見つめるきっかけを学ぶ活動でもあります。

今巷ではもうすぐクリスマスですね。

世界中の子供たちがこの日を楽しみにしています。
私達が訪れているスラムの子供たちも例外ではありません。特にキリスト教が主となるフィリピンでは、日本とは違い厳かにかつ、盛大に家族、友人たちと祝うはずです。

しかし、いくら良い子にしていても今日食べることにも困窮し、生きていくことに精一杯な彼達には、日本の子供たちのように楽しいおもちゃのプレゼントなどありません。

一日中ゴミを拾い、赤や青に彩る鮮やかなイルミネーションの街を徘徊しながら生きていく子供たちは、ガラス越しに楽しそうに家族と食事をする風景をただじっと見つめるだけです。

聖なる夜。
命の尊さを説いたイエス・キリストは今のこの地球(ほし)の現状を見て何を思うでしょうか。貧困、戦争、差別、・・・少しずつきしみ始めた人間社会の崩壊を止めるのは決して祈りだけでは解決をすることはできません。私達一人一人の「心」が唯一の救いになります。それをイエスは「愛」と呼びました。

家族、友人、恋人と過ごす夜、世界にはその「愛」を求め必死に生きる子供たちがいることを私達は忘れてはいけませんね。そして少しでもいい、自分ができるささやかな「愛」を分け合える社会を築きましょう。

2011年12月23日 ハローアルソン!ハロアル・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人

祐介先生こんばんは

朝日が昇るのも日に日に遅くなり、今日は一段と寒さが厳しく感じますね。

早朝、少しずつ紫色の光が東の空を照らしはじめると、私の庭には数羽のキジたちが毎朝やってきます。雄鳥の求愛の鳴き声が静寂の空に鳴り響く様は、何とも言えぬ情緒があっていいものです。庭の木々の葉もすっかり落ちました。春には芽が息き、夏には青々と生い茂り、秋には真っ赤に身を焦がした山々も、一年という生命の輪廻が今終わりを告げようとしています。

先日、今年の世相を表す漢字が報道され、やはり「絆」が一位に選ばれました。

3月の震災は戦後奇跡的に復興を遂げた我が国の証しでもある発展を一瞬にして破壊しました。
人々は恐怖と不安の中、我先にと食糧、ガソリンに群がり、日頃おおよそ必要としない程の買いだめが横行し、被害の及ばない都心部にまで一時は品切れ状態が続く程でした。安全と言われていても、被災地に水がないと言われていても、我が子のミルクの為に大量の水を買占め、何かの為に、何かの為にと、コンビニの食料はあっという間に売り切れました。
あの停電の夜、私の家には友人たちが集まり、暖炉で暖をとりながら、ろうそくの炎の下、他愛もない話で不安を紛らわし、それでも命がある喜び、生きていられる喜びを分かち合いました。

この大震災は私達人間が持つ心の正と負の二面性をあらわにしました。
誰しもが持つ自己の部分と、自らの命を犠牲にしてでも誰かの為に尽くす「公」の部分。

津波がくる寸前まで避難を呼びかけ犠牲になった方。
身を呈して水門を閉めに残った消防隊員。
一人でも多くの住民を救う為に殉職した警察官。
放射能との恐怖に晒されながらもこの国の未来の為に今もなお作業をする人達。

その被災地に今週末、女子の実業団駅伝が宮城県で開催されます。
宮城県知事は「松島からスタートして、仙台までの区間、皆さんのお陰で東北がどれだけ復興したか日本中の方々に見ていただきたい」と言いました。
また、ある選手は「走る事が出来ることへ感謝をこめて頑張りたい」と言います。

「絆」の語源は動物などを繋ぎとめる縄より、人と人を繋ぐ言葉として使われます。

まさしく、駅伝の一本のタスキに繋ぐ、心の絆を是非選手の皆さんに頑張って欲しいと思います。

さて、もう一つの「絆」ハロアル・フィリピンボランティアも出発まで残りわずかとなりました。
劣悪な環境で今日食べる事も出来ない子供たちが、私達の到着と、皆さんの優しさを待っています。復興支援もこのフィリピンの子供たちの支援も、ボランティアという優しさの絆で結ばれています。

まだまだ、歯ブラシやタオル、固形石鹸などの物資を募集しております。
リスナーの皆さん、年の瀬に一つ、皆さんのほんの少しの優しさを分けていただけたら幸いです。

2011年12月16日 ハローアルソン!ハロアル・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人

祐介先生こんばんは

今日はとても寒い日でしたね。今年一番の寒気だそうです。
朝、暖炉に薪をくべながら揺れる炎を見ていると、被災地の方々の過酷な生活に心が痛むとともに、今まで当たり前のように温かな部屋で生活をし、当たり前のように電気やガスを消費する環境に改めて感謝をせざるを負えません。
まだ夜が明けぬ東の空の向こうに、未だ多くの方が苦しみ、深い悲しみの中生活をされていると思うと、決して風化させることなく、日本中で支えあわなければという気持ちになります。

さて、先日、長野県御代田町で開かれた、SBC(長野信越放送)との打ち合わせ、お疲れ様でした。
今年SBCにより「ハローアルソン・フィリピン医療ボランティア」の現地での活動が30分番組として放映されました。「笑顔を届けたい フィリピン・高校生ボランティアの記録」と題し、この活動に参加をした高校生達のドキュメント番組でした。

日本とはまるで環境の違う環境に生きる同世代の若者たちを見て、高校生たちは様々なことを感じ、学びます。
今、我が国は戦後70年を迎えるに当たり、全てを失った時代から奇跡的な復興を遂げ、世界でも有数の発展国となりました。先人達が耐え忍び必死に目指した豊さは、今の私たちの暮らしの礎となり、私達は何不自由なく生活を送ることができます。

しかし、その「豊かさ」の光の裏に、年間3万人を超える自殺者を生む影を生み、最近では子供が子供を狙う無差別的殺傷事件や、親の死をひた隠し年金を搾取する者、社会的にも弱い老人を狙う振込詐欺や被災者までもを狙う犯罪など、人間の倫理観が問われる事件が多発しています。

私達日本人はあらゆる面で合理性、利便性を追求しました。それがあたかも時代の先(せん)と考え、それこそが豊さの発展の象徴としました。その結果、人と交わることを極力避け、間違った個人自由主義の横行により、挨拶を交わす言葉、労をねぎらう感謝の言葉、そして愛を語る心の言葉さえも、ボタン一つ、メール一つで伝え、リセットさえも可能な社会を作り上げました。

祐介先生。私達の国は本当に豊かなのでしょうか。
そんな無機質化した現代に生きる日本の高校生達が、ヘドロの川で遊び、1日中ゴミを拾い、それでも必死に生きるフィリピンの恵まれない子供たちを目の前にした時、何を感じるでしょうか。

今年参加をした高校生たちは一つのテーマをもとに4日間の活動を行いました。
それは「思いやりとは何か」。
この単純な言葉に高校生たちは悩み、考えます。ある生徒は、貧困地区での活動と分かっているのに、夕食時、目の前に並ぶレストランの食事をみて喜び、残してしまい、その自分の行動に悩みました。また、ある子は、あまりの壮絶な風景と異臭に現実にその地に立っている事さえ忘れてしまうような逃避感にかられ、「今は何も考えられない。ただこの光景を目に焼き付けていきたい」と話しました。

私達「ハローアルソン」は歯科医療提供、物資支援を通じ、貧困問題を考え、これからの日本を支える若者たちとともに本当の豊かさについて考えていきます。
どうかリスナーの皆さんこれからもご支援のほどよろしくお願いします。

2011年12月9日 ハローアルソン!ハロアル・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人

祐介先生こんばんは

先週の日曜日に開かれた「2012年ハローアルソン・フィリピン医療ボランティア 事前研修会」お疲れ様でした。

北は北海道、南は沖縄まで、全国からの参加希望を頂き、皆さんには心から感謝するとともに、団長としてその責任の重さと皆さんと一緒に活動ができる喜びと誇りを感じています。

今回、兵庫県から初参加をされる菅原歯科クリニックの菅原先生からお便りを頂きました。

「日曜日にはお忙しい中、お世話になりました。(中略)あまり役立たないとは思いますが、私にもフィリピンの国に少しでも貢献したいという思いは強くあります。なぜなら、この国は私の幼年時代と生活が似ているからです。昔も日本は裸足で生活をし、学校にも行けず働き、幼い子供が下の兄弟をおぶって仕事を手伝っていました。しかし貧しくても家族を思い、父親を思う気持ちは強く、日本人がもう忘れ去った心を持っています。高校生の方に是非この家族の絆の強さを知ってほしいと思います・・」

菅原先生はこのハロアルラジオやHPをご覧になって参加を決意して下さりました。

この活動に参加をされる方々は様々な理由、志を持って参加をして下さります。

医療奉仕の心だけではなく、自分自身の経験の為と思う人もいるでしょう。
ただ漠然と何かをしたいという衝動にかられる人もいるでしょう。
私は以前このハロアルの活動に関してだけは会の活動主旨をきちんと理解して下さる人達、言うなれば生粋のハロアルチームの誕生が最も純粋で意味のあるものだと考えていました。

しかし、元来ボランティアにそれほどの意味や、意義などはあるのでしょうか。

最近ではどんな理由にせよその人が目の前の苦しんでいる人、悲しんでいる人に対し、感じ、行動に移したことが全てであり尊いもののように感じはじめました。

昨年、フィリピンの現地で行われた高校生ミーティングでのことです。
「思いやり」について、というのがテーマでした。「思いやり」とはなんでしょうか、という会長・林先生の問いに、高校生達はボランティアを通じ一生懸命考えていました。そして最終日その一つの答えとして「思いやりとは許すこと」とおっしゃいました。

「許す」それは簡単なようで難しい。
ましてや人間は自己的で、自らの主張、利益、保身を優先しがちです。
しかし、本当にこの物質的豊かさに毒された日本人が、もう一度「やさしさの心」を呼びもどすには、自分が合いいれないような意見、人間でも耳を傾け、許し、認めることが最も大切なのかも知れません。
それを教え、学ばせてくれるのがもしかするとボランティアなのかもしれませんね。
この「思いやり」というテーマは実は高校生だけではなく私たちにも共通する課題でもあります。今周りを見渡せば、沢山の人達、沢山の意見に囲まれてこの活動に参加をさせていただいています。この環境の大変さに「有難さ」を感じ、共に頑張っていきましょう。

2011年12月2日 ハローアルソン!ハロアル・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人

祐介先生こんばんは

めっきりと寒くなり、こちら栃木県では先週まで見ごろだった紅葉も、一枚、また一枚と赤や黄色の木々の葉がその身を土に返し始め、肌に刺すような朝の冷気が、もうすぐそこまで来ている冬の訪れを感じ始めさせます。

さて、いよいよ今週末、来年度2012年 ハローアルソン・フィリピン医療ボランティア 参加者事前研修会が東京で開かれます。

今年は3.11の影響もあり、ハロアルボランティアへの全体的な参加者の減少も予想しておりましたが、例年と同じくらい述べ70名もの方々にご参加いただくことができました。

世界中がかつて経験した事もない大災害の年に、自らの時間、財産を費やし参加を決意していただいた皆さんの優しさに心から感謝申し上げます。

私達の活動は単に現地に行き物資を配り、無償の歯科治療を行うことだけを目的とはしていません。

ましてや自分の経験の為に現地におもむくことでもありません。

世界の現実を目の当たりにし、何を感じるか。
そこで得たものをどのように日本での日々の生活に反映させ、社会全体がより良くなる為に寄与できるかを考えることが大切だと考えています。
ですから4日間の現地での活動も尊いものですが、残りの361日をどのように考えるか、どのように生きているかが問われてきます。

「貧困」という現場は通常の人間であれば率直に「可哀想」と思います。
その時は誰しもが何かをしなければと思うでしょう。
しかし、時間が過ぎ、また物質的な豊かさに溺れた日本の生活に慣れ親しんでいくうちに、最初は「恵まれない子供たちのため」という純粋な心も、いろいろな場面で自己保身に陥り、自らを正当化させ、あらゆる都合と理由をつけ、違った意味でボランティアの本質を捉えがちになっていくのです。

そんな我々の「毒された心」を洗い流してくれるのがこの会のもう一つの良心、高校生たちの存在です。
先日、私の地元から来年参加をする高校生の公認欠席許可と活動主旨のご説明をさせて頂く為に、その生徒の学校に伺いました。教頭先生や担任の先生が出迎えて下さり、校長室に入室するや否や、「関口?」と教頭先生が尋ねるのです。

「あれ?」と思い、顔をよく見ると私が高校の時にお世話になった国語の先生でした。
お世辞にも真面目とは言えない高校時代に唯一普通に接してくれた恩師でした。会議も和やかに進み、無事公認を頂くことが出来ました。私の少しばかりの成長を素直に喜んで下さり、帰り際「今度飲みにでも行こうよ」と気さくに握手を交わして下さった恩師の少し小さくなったような手のぬくもりに、私は月日の早さと、偶然にしては出来過ぎるほどの素敵な再会を、この活動を通じフィリピンの子供たち、そして情熱と夢を抱き参加を決意してくれた目の前の高校生に心から感謝をしました。

祐介先生。このハロアルの本質はなんでしょうか。
未熟な私が今思う事は、何不自由なく暮らす我々日本人が失った「心」、それは素直さ、感謝、謙虚・・それこそを考えることなのだと思います。
決してその意味を忘れず出発までしっかりと準備をしたいと思います。

2011年11月25日 ハローアルソン!ハロアル・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人

祐介先生こんばんは。

日に日に寒さが増し、小学一年生の息子と一緒に毎朝日課にしている新聞とりも、少しずつ億劫になってきました。
庭には霜が降り、顔を刺すような冷気が二人の眠気を否応なしに覚まさせます。
家の周りにはまだ完全に夜が明けぬ朝もやの中、キジの声が鳴り響き、田舎独特の冬の訪れが肌にも感じられる季節になりました。

そんな中、今朝の新聞を読むと、日本人として本当に嘆かわしく、恥ずかしく、ある意味危機感さえ感じてしまう出来事がありました。
現在「ブータン国」の国王夫妻が来日されていらっしゃいますが、その国賓を歓迎する宮中晩餐会に、あろうことか閣僚の中でも国家の根幹を担う防衛相が同僚議員のパーティーを優先し、欠席をしたというのです。しかも、それを平然と、「宮中の催し物よりこちらが大切」と言い切り、またある議員は歓迎パーティー中に携帯電話を使用するなど、国を代表する国会議員とは思えないほどの体たらくぶりでした。

テレビの報道ではブータン国王夫妻の美男美女ぶりや、世界一幸せな国と呼ばれていることなどのワイドショー的な話ばかりが話題になっていましたが、私は今回、ブータン国王が国会で演説した全文を読み、正直胸が熱くなり心から感動と敬意を抱きました。

そこには序文として「皆さまのお役にたてるようなことを私の口から多くを申し上げられるとは思いません」と謙遜しながらも、いかに日本という国が世界にとって重要な位置を占め、「卓越性、技術革新がなんたるかを体現し、偉大な決断と業績を成し遂げつつも、静かな尊厳と謙虚さとを兼ね備えた日本国民」と話されていました。
また、3.11の大震災にもふれ、ブータンでは至る所で大勢の人々が寺院や僧院を訪れ、供養の灯明を捧げたこと。そして演説の中に「いかなる国の国民も決してこのような苦難を経験すべきではありません。しかし、仮にこのような不幸からより強く、より大きく立ち上がれる国があるとすれば、それは日本と日本国民です」と話されました。

天皇陛下が病に伏せ、ヒマラヤの若き指導者が、日本国の為に、心からの礼儀と哀悼の念を表している中、我が国の代表者たちの稚拙でお粗末な姿に呆れかえると共に、ただ、同じ日本人として恥ずかしく思うばかりです。

この国はどうなってしまったのでしょうか。

今、日本は未曽有の非常事態となっています。
復興のために莫大な費用と時間を必要とする中、国家では何百億もかけ作る公務員宿舎の是非を真顔で討論しています。
「ブータンは小さな国ではありますが強い国でもあります。」この言葉の裏には、国民が何よりも社会の調和を重んじ、勇気と品位を持ち先祖の価値観によって導かれる社会。そうした思いやりのある社会で生きることに最も誇りを持っていると話されています。

「発展」という光の裏に、私達は大切な「心」を置き忘れてきました。

ブラウン管に映る二つの国の指導者達の顔つきのあまりもの違いに、深い落胆のため息をつかずにはいられない出来事でした…。

2011年11月18日 ハローアルソン!ハロアル・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人

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ボランティア活動報告(抜粋)

活動理念「四本の柱」

  • 現地での歯科医療を中心とした無償の奉仕活動
  • 歯ブラシ・タオル・固形石鹸など物資の支援活動
  • 世界の貧困問題を通じ、自らの生活を見直し「真の豊かさ」について考える
  • 次世代を担う高校生の参加により、真の国際平和と国際責献について考えてもらう

今西祐介のハロアル・レディオ

毎週金曜日21:00-22:00生放送
レインボータウンFM(79.2MHz)
http://www.792fm.com/
歯科医師でミュージシャン今西祐介がパーソナリティの歯科医療ボランティアと楽しいトーク&音楽番組

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